こんにちは、まるぞーです。
今年も固定資産税を払いました。11万8千円でした。ということは私のマンションの資産価値は1180万円ということになります。
もう少し前までは、固定資産税も12万円を上回っていましたから、だいぶ安くなりました。
マンションを売るつもりはないので、毎年固定資産税が安くなるのはうれしいことです。
さて、私の実家にも当然固定資産税の請求は来ていますが、父が資産を内緒にしてちっとも教えてくれないので、母親を通してちょっと探ってみました。
母にそっと固定資産税の請求額を聞いたら、なんと私より安い10万9千円でした。
ということは実家の価値は、土地建物合わせてたったの1100万円にしかならないということです。
確かに建物はもう築35年を優に超えていますから、安いのは当然としても、土地があります。
名古屋の中心ではないといっても、交通の便利な名古屋市内の住宅街です。
かなり前には私の勝手な想像で、資産価値はひょっとして1億ぐらいあるのではと思ったこともあります。
さすがに億はないでしょうが、それでも私は土地だけで数千万、安くても2000万円くらいはあると思っていましたので、耳を疑いましたが、どうやら本当のようです。
そして私の両親の資産ですが、土地と家以外にはなんと貯金がたったの200万円しかないそうです。
これも父は絶対に教えてくれないので、母親から聞いたのですが、最初は嘘だろうと思っていましたが、どうやら本当のようです。
父は公務員を定年まで勤め、母は専業主婦ですが、父の趣味は投資でしたので、いつも必死で株の取り引きをしていました。
投資用マンションも一時は2部屋持っていて、不動産投資もしていました。
そのマンションは空室になり、ローンが払えないので2つともだいぶ前に売ってしまいましたが、株は数年前まで、毎日すごく熱心にパソコンに張り付いてやっていましたので、私はそれなりの利益は出しているものと思っていました。
それが株を辞めて全部現金に換えたというのに、貯金がたったの200万円しかないってどういうことなんでしょうか。
いったいどこに消えてしまったのでしょうか。
いまだに父が誰にも内緒にしてどこかに隠しているのではと疑ってしまいますが、母親に聞いた限りでは、どうやら本当にないそうです。
どうして父はあんなに熱心に投資をしていたのに、儲けられなかったのでしょうか。
全て想像ですが、私なりにストーリーを考えてみました。
まず父は、株と言えば日本株、しかも投資信託ではなく個別株のみに投資していました。
おそらく30代から初めて、70代後半まで40年以上にわたって取引してきたわけですが、始めは証券会社に通い、電話での注文でした。
インターネット取引が主流になってからは、父も大の苦手のコンピューターを必死で勉強して、中古の安いパソコンを買い、手数料の安いネット証券で取引をしていました。
そして父が株投資をしている間に、日本株のパフォーマンスはどうだったかというと、父はあのバブル崩壊とリーマンショックを両方とも経験しているのです。
バブルで株価はどんどん上がり、その時はかなり儲かったでしょうが、それで調子に乗ってバブル時代の高値で投資用マンションを2部屋も買ってしまい、株も信用取引までして、少ない資金を最大限つぎ込んで投資していたものと思われます。
そしてバブル崩壊です。
そのころの父は母によれば、毎日頭が痛いと言って頭を抱え込んで、食事ものどを通らないほどおかしな状態だったといいます。
相当ショックで、かなり大損したのでしょう。
しばらくはもう投資なんてする気になれなかったかもしれませんが、やがてまた少しずつ株を買い始め、バブル崩壊で懲りたのか、少しずつ投資額を減らし、少ない額で投資を続けたのだと思います。
あるいは塩漬けの株をずっと持ち続けていたかもしれません。
とにかくバブル崩壊で、今まで好調だった資産を一気に減らしてしまったことは間違いありません。
そしてその後日本株は低迷を続けました。
一生懸命銘柄を選択して取引しても、なかなか儲けるのは難しかったと思います。
それでも投資は父の唯一の趣味であり生きがいなので、ずっと続けてきたところ、今度はリーマンショックでまたやられました。
ただし父はバブル崩壊を経験しているので、この時はすでに対処法を知っているというか、免疫がありました。
私が一度だけちらっとこんな質問をしたことがあります。「バブル崩壊とリーマンショックではどちらが大変だった?」と。
その答えは、「そりゃあバブルだ、そんなの比べ物にならん」でした。
やはり父の投資人生において、最大の挫折はバブル崩壊だったのでしょう。
投資マンションも結局入居者が滞り、仕方なく売却するも、バブル期の高値で買ったものなので、利益が出るどころか大赤字だったということです。
ちょっと気の毒になってしまいます。
そして我が実家も、私が大学生のころに父が建て直しましたが、そのローンも35年ローンにしていて、なんと父が87歳の時にようやく完済しました。
株につぎ込むお金があるのなら、ローンの繰り上げ返済をした方がいいのにと思いますが、父は趣味の株取引を優先し、さらにマンションなど買って、家のローンは結局繰り上げ返済なしで35年間払い続けました。
そのため本来なら1500万円の買い物に、総額3000万円も払ったことになります。
私はこの父の失敗から何を学べばよいのでしょうか。
哀れにも投資が生きがいなのに投資で失敗した父を反面教師として、私は父と同じ轍は踏まないように勉強しました。
そして私が2017年に、会社を首になるという人生の大失敗の中から、怪我の功名として図書館で学んだものが、インデックス投資です。
私はそれまでの日本の個別株への投資をすべてやめ、それからインデックス投資に切り替えました。
父の時代はまだ外国株への投資などする人はほとんどいませんでしたが、もし父が世界株のインデックスに投資していたら、全く違った結果になったでしょう。
そして私はマンションのローンを繰り上げ返済でとっとと完済しました。
あと私が父と違うのは、投資用のマンションなどの不動産投資には一切手を出さなかったことです。
その結果私は55歳にして投資で約1000万円の利益を出すことができました。
資産も会社を退職しながらも、4000万円貯めることができましたが、これは私と父では大きく違うところがあります。
それは私がずっと独身だったことです。
若いころから父には早く結婚しろとさんざん言われてきましたが、結局私はずっと独身で、妻も子供もいません。
一方父は公務員の給料で専業主婦の母と、2人の子供を養い、私に至っては大学院まで出してもらいました。
それを考えると父には頭が下がります。
私は親不孝者で、父にも母にも恩返しができていませんが、ですから父が投資で失敗したからと言って、父を哀れに思うことはあっても、父を馬鹿にしたりなどは全くしていません。
ただ私は父とは違う人生を歩みましたし、投資の面でも少し違うやり方で、投資に関しては今のところ成功しています。
それでも私は、私を育ててくれた両親に心から感謝しています。
そして私にいっぱいお金を使わせてしまったことを、本当に申し訳なく思っています。
だからせめて両親の最後は私が看取ります。それまで介護もするつもりです。
そして相続は、心配することなどなかったということです。
妹とどう分ければいいのかなどと心配していましたが、たった1000万円の実家なら、そのまま妹にくれてやります。
私には住む家がありますし、お金もあります。
なまじ親の資産があると相続が大変なので、なくて良かったです。
それではまた。