こんにちは、まるぞーです。
先日元プロ野球選手で、糖尿病からくる感染症のため右腕を切断した、佐野慈紀さんをブログで取り上げましたが、手術は無事終えたそうですが、その後の様子と病気に至った経緯を書いた記事がありましたので、また紹介したいと思います。
元近鉄・佐野慈紀氏 右腕切断後「やれることがあったんじゃないか」と痛感…「糖尿病は本当に怖い」心から訴え
《今日初めて切った腕と対面しました。感想は短くなったなぁですね。痛みもなく順調なようです。受け入れようと思いつつもやっぱり観てみぬふり なかなか弱気なハゲオヤジです。まだまだ先は長いですが変わらず前を向いて 生きますね。健康第一 みんなかがや毛~!》
と持ち前の明るさと前向きなコメントを寄せていますが、それがかえって痛々しく思えます。
おそらくここに至るまで、相当な葛藤や恐怖など、いろんなものが入り混じった複雑な気持ちで、精神を落ち着かせることが困難だったのではないかと想像されます。
そして手術が終わった今でも、そんな恐怖や不安やいろんな気持ちが吹っ切れることはなく、まだ悶々としているのではないでしょうか。
それほどに衝撃的な現実です。
どんなに強い人間でも、この現実を受け入れるには、相当な覚悟がいると思います。
手術は成功で、新たな感染は見つかっていないから、今はとりあえずホッとしているかな。周りからはいろいろと心配されるけれども、僕自身はあっさりしていますよ。ただ、糖尿病患者の5年生存率は5~6割ということもあるし、僕は心臓弁膜症もあってその手術を今後しなければならないので、これで終わりというわけではないです。まあ、今回はいろいろと一気にきましたよ(笑)。
なんとも気丈にふるまっていますが、心中穏やかではないと思います。
それまでは毎朝30~40分くらいウォーキングしていたのですが、足に痛みと腫れが出てきて、自分で勝手に足底筋膜炎だと思っていた。たまたま通っている病院に専門の先生が来る日があって、相談してみたら、先生の顔色が急に変わって。その場で「佐野さん、これ切るね」と言われて、足の中指を切断することになったんです。これが広がったら大変なことになるから、と。
その後も治療が結構長引いて、8~9カ月入院していたのかな。退院して、通院で足の治療を続けることになったんです。そして、その1週間後くらいに、普段通っている透析の病院で、「どうも心臓のあたりがチクッとするんですよ』と相談したら、レントゲンを撮ることになって。結果を見た先生からは、「これは大きな病院に行ったほうがいいですね」と告げられました。
それで再び元の病院で検査してもらったら、心臓弁膜症だとわかりました。じつは、その少し前につまずいて転んで手の指先を怪我し、小さなかさぶたが二つできていて全然治らなかった。そのことも相談して見てもらうと、「血流が悪くなっていて動脈硬化も進んでいるから、生きている部分の血流をよくしよう」ということでカテーテル治療をすることになりまして。そしたら、アナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)が出てしまったんですね。もう死ぬかと思うくらい。
こういうのを青天の霹靂というんでしょうね。自覚症状のない進行がんも同じだと思いますが、告げられた時のショックは、もし私だったら耐えられないと思います。
ただ、佐野さんの場合、これで終わりではなく、さらなる悲劇が襲います。
それで血流はよくなったんですけど、それによって今度は手の指先の感染が進んでしまったんです。心臓弁膜症と同時に治すことはできないということで、まずは感染症を治すことになり、指先をクリーニングしながら治療してもらいました。でも、感染のスピードに追いつかなかったみたいで、結局、右手の人差し指と中指を切断しました。切ったほうが今後のためにはいいと言われて。
――それでひとまずは感染を食い止めたと思ったら、まだ続きがあったのですね。
指を切った場所をさらに洗浄することになるんですけど、やっぱり洗浄が感染に追いつかなくなってしまって。それにその洗浄が激痛なんです。結局、前腕の半分くらいまで感染しているようだとわかって、先生にどうするのがベストかを聞いたら、腕を切るしかない、と。「あとはひじの下にするか上にするかの問題ですね」と言われました。
正直、腕をなくすのは……と思ったんですけど、洗浄するときの痛みに耐えられなくて。麻酔はするけど全然痛いんですよ。腕をなくすことは必ずしも受け入れられなかったんだけど、切ることにしました。これ以上感染を広げないため、最終的にひじの上まで切りました。指に近いほうは感染が残っている可能性があるので、ぎりぎりで切るよりは余裕をもって切ったほうが安心だろうということで。僕も何回も切るのは嫌だし、洗浄して痛い思いするのも嫌だから、「もう、まかせますわ。好きなところから切ってくれ」と(笑)。ただ、肩から切るのだけは嫌だな、と思った。まあなんとか、短いけど腕は残った。
指を切った後、腕を切らなければ、という話になるまで、2週間くらいだったかな。
人生ってこんなにも過酷なものなのでしょうか。佐野さんは私とほぼ同年代、まだ56歳です。
――大きな要因としては、糖尿病があったのですか。
糖尿病の治療はしていました。透析もしていたし、インスリンも打っていて、状態としては末期でした。でも、数値はだいぶ安定していたんですよね。それで安心はしていたんだけど、やっぱり悪さをするんですね……。50歳過ぎたら、定期検診はやっておいたほうがいい。年に1回で良いから。あとは何か気になることがあったら、ついでに調べたほうがいいでしょうね。
それと大きかったのはストレスかな。自分ではストレスに強いと思っていたけど、人間、意外ともろいものだと思いました。野茂の件(*)でも、反感は全然なくて、自分のふがいなさと申し訳ない気持ちでいっぱいだったんです。ただ、仕事がなくなって、もう一度仕事を取ってこようと思って頑張っていたけど、やっぱりその時のストレスも病気の原因にはなっていると言われました。あの時、仕事はゼロになったので、知らないうちにストレスを感じていたんでしょうね。そのあと、心不全を4回もやってるんですよ。
でも今思えば、きちんと検査するきっかけはあったんですよね。最初に心不全になったときに、これは手術かもしれないと一度は言われたんですが、状態が緩和されてきたから様子を見ることになりました。その時にちゃんと調べておけば……。そのあと3回心不全になってますからね。今さらながら、もう少しやれることがあったんじゃないかなと。
誰のせいでもない。でもどうしても、ああだったんじゃないか、こうだったんじゃないかと考えてしまう。恨みつらみはないけれど、なんとかできたんじゃないかと考えてしまって、悔しい部分はありますね。
(*):野茂英雄氏が近鉄時代のチームメイトだった佐野氏に対し、貸付金の返済を求める裁判を起こし、2018年9月に勝訴した件
やっぱりストレスは関係しているのかもしれません。ストレスは万病のもとだと思います。
いずれにせよ病気だけでなく、プロ野球選手という華々しい世界に身を置いた佐野さんですが、引退後はものすごく苦労されたようです。
ただ、不摂生はしていなかったんですよ。体調管理には気をつけていた。それでも、悪くなってから(進行が)早かったのは、衝撃的でした。
――ウォーキングも日課だった。
毎朝していました。長いときは1時間くらい歩いていましたよ。仕事がないからできることはたくさんありました(笑)。トレーニングもやっていたし、なんとか健康になろうと思って努力していました。食生活の改善はなかなか、難しいところでしたけど。
――今後についてはどのように考えていますか。
まだ入院中なので、実際に生活がどうなるかはやってみないとわからないですね。退院して生活してみて、いろいろな不具合は出てくるのかなと思っています。こうなった以上、腹は決めています。要介護者になるのであれば、ヘルパーさんに頼ることも必要かなと思うし、頼るべきところは頼って行こうかなと。
あと展望としては、何か目標を持っておかないといけないなと思って、ブログに書いたように「左のピッカリ投法」が目標です。約束しますと言い切ったし、退院したらまずはそこから始めます。投げることは下半身を鍛えることですから、まずは下半身を鍛えて左で投げる体力をつけたいなと思っています
不摂生をしていなくても、右腕の切断を余儀なくされる。糖尿病とはかくも恐ろしい病気なのでしょうか。
健康管理には食事と運動が大切だと言いますが、運動していてもこんな結果になってしまうのですね。
食生活の改善は難しかったとありますが、糖尿病の食事は本当に大変だと聞きます。
ましてや今の私の食生活を続けていたら、本当に自殺行為だと思います。
私の場合、運動もしませんし、食生活はめちゃくちゃ悪いですから、本当に舐めていたら他人ごとではありません。
血液検査は定期的にしていますが、血糖値も高めで、以前糖尿病予備群と言われたこともあります。
糖尿病患者は結構たくさんいて、私の知り合いにもいて、薬やインシュリン注射で元気に生活していますが、まさか下肢の切断や失明になるなんて、思ってもみませんでした。
ちゃんと治療していれば大丈夫だろうと高をくくっていましたが、佐野さんの記事を読むと、本当に恐ろしい病気だなと思いました。
果たしてもし本当にそんな状態になったら、それでも生きていたいと思えるでしょうか。
佐野さんは前を向いていますが、簡単なことではないと思います。
この先要介護にでもなって、それでも生きていくとしたら、それはまさに生き地獄ではないでしょうか。
それでも生かされている限りは前を向いて生きる。なんて強い人間なのでしょうか。
私がもしそうなったらどうするでしょうか。
もう死んだほうがましだと心から思うかもしれません。
国によっては安楽死を選ぶ人もいるかもしれませんが、日本ではまだ認められていません。
ただ私は安楽死に対しては、まだ疑問があるというか、自分ではまだ受け入れられずに、抵抗感があります。
いずれにせよ健康な人もいれば、このように困難な病気と闘いながら、まさに壮絶な人生を歩む人もいます。
プロ野球選手という、めったになれない恵まれた人生を経験したにもかかわらず、このような現実と向かい合わなければならない人もいます。
人生この先何が起こるかわかりません。
今健康だとしても、それがいつまで続くのかわかりません。
今を楽しめるうちに楽しむしかないなあと思います。
そして私も、どうなってもいいから暴飲暴食は止めないなどと言っている場合ではなく、やはりもっと厳しく摂生して、自分の健康を守る努力をするべきではないかと思いなおしました。
とにかく佐野さんには、元気でまだまだ生きていただきたいと思います。
心臓の手術も成功されることをお祈りいたします。
それではまた。