こんにちは、まるぞーです。
今日6月4日は、私の結婚記念日です。それも今日で結婚してからちょうど20年を迎え、今日は私の結婚20周年の記念日なのです。
すみません、読者の皆さんにうそをついていました。ずっと独身だと言ってこのブログを書いてきましたが、実は私は20年前に結婚していたのです。
では今日は私の妻を紹介しちゃいます。
この左右両側にどかんと鎮座する、B&Wのノーチラス802が私の奥さんです。
今から20年前の今日、我が家に嫁いできました。
以来今日までずっと浮気もすることなく、私と生活を共にしてきました。
そして今日で20年がたちます。感慨深いものがあります。
浮気はしていないと言っても、うちは一夫多妻制で、私はこの他にも、マンションに3つ、実家に4つの、合計7つものシステムを構築していますから、妻が7人もいるわけですが、このノーチラス802が第1妻です。
一番高価なのはもちろんのこと、やはり一番いい音色を奏でてくれます。
20年経った今でも、私は妻を愛して止みません。
しかしこの20年を振り返ってみると、決して順風満帆とは言えませんでした。
アンプは歴代5台も変わりましたし、CDプレーヤーは昨年新たにアキュフェーズのDP570を導入し、それにNASをつないで、ネットワークオーディオも始めましたが、このブログでも書いたように、なかなかいい音では鳴ってくれず、いろいろな問題点を抱えながら、それを克服するべく、それこそ血のにじむような努力を重ね、ケーブルなどのアクセサリーをいじってきましたが、今まだ100%とはいきませんが、何とか満足できる、良い音でやっと鳴ってくれるようになりました。
血のにじむような努力とは、まさにその通りで、時間も労力も使いましたし、その間いい結果が出ないとものすごくストレスを感じて気疲れが半端なかったですし、金銭的にもかなりの額を費やしました。
ストレスでだいぶ寿命が縮んだんじゃないかと思うほどです。
今やっとほぼ満足できる音で鳴っていますので、これで終止符を打ちたいと思っています。
いわばノーチラス802システムの完成形です。
もう浮気はせず、このままの状態のシステムと添い遂げようと思います。
一応以前のブログで書いた最後の状態から、現在に至るまでのシステムの変更点を書きますと、まずはアキュフェーズの電源ケーブルを、純正品からゾノトーンの6NPS NeoGrandio に交換しました。
ものすごく太くてかたい、大蛇のような電源ケーブルです。定価7万円です。
それによって、今までの問題点、弱音部が弱く聞こえることと、バイオリンの高域が痩せて窮屈そうに聞こえるという2点が解消しました。
ゾノトーンのケーブルで音は激変し、音が前に出てきて、輪郭がくっきりし、力強く、重心は下がり、低域の質感も豊かになりました。
一言でいうとマッチョな音です。筋肉質というか、とにかく音が力強く、迫力があります。
例えばオーケストラなどはよりダイナミックでリアルに聞こえ、目の前で鳴っているかのような生々しさがありますが、同時に空間表現が悪くなってしまい、つまり音が前に出すぎで奥行や天井方向への広がりがなく、ホールトーンというか、コンサートホールの2階席の上の方で聴ける、ホールに反響する残響音や柔らかい空気感が損なわれてしまいました。
リアルではありますが、音が強すぎて長く聴いていると疲れてしまいます。
一方マランツのCDプレーヤーの音は、これと真逆で、音はちょっと奥に引っ込みますが、柔らかくて暖かい、暖色系の音で、エアー感たっぷりで、ふわっと音が立ち上がり、なんとも優しい響きで、パステルカラーのような色彩豊かな音色なのです。
両方のいいとこどりができたらいいのですが、それは無理なので、2台のCDプレーヤーを使い分けて、その時の気分や音源によって、ステージの最前列で大迫力の演奏を聞きたいときはアキュフェーズで、逆にリラックスして2階席の後ろの方で、ホールトーン豊かな演奏を楽しみたいときはマランツで聴くようにしています。
値段的にはアキュフェーズの方が当然高く、時代的にも20年の格差がありますが、マランツのSA14というCDプレーヤーは本当に美しい音色で、いまだ色褪せません。
アキュフェーズを購入したら引退させるつもりでしたが、とても引退させるわけにはいきません。
値段を超えた名機ですので、壊れない限り、これからもアキュフェーズと並行して使い続けていきます。
さて最後にNASですが、いままではいくら頑張ってもディスク再生の方がNASより音がよく、ACアダプターの交換と、電源ケーブルの交換で相当音質は改善しましたが、それでもよく聴くと、わずかですがディスク再生の方が音は良く、利便性という点ではNASを使う意味はありますが、音質に限って言えば、NASの存在価値はありませんでした。
やはりそれでは納得がいかないので、もう一度これが最後と思い、高価なUSBケーブルを買ってみました。クリプトンのHRというケーブルです。33000円しました。
今まで使っていたフルテックのケーブルが1万円でしたので、3倍以上の価格です。
USBケーブルでそんなに音が変わるものだろうかと、半信半疑でしたが、これが変えてみると、まさに目からうろこの大変化でした。
同じアキュフェーズのDACを通して聴いているのに、ディスク再生とNASでは音が全くの別物です。
今までのフルテックでは、音のクオリティーはディスク再生よりほんのわずかに劣るものの、ほぼ一緒で、音色に関しては、それこそブラインドテストをしても絶対に区別がつかないであろう、全く同じでした。
ところがどうでしょう。クリプトンのケーブルにしたら、音のクオリティーも上がりましたが、それ以上に音色が全然違うのです。
クリプトンの音色は高域が澄み切って、艶があり、光沢感のあるきれいな透き通った音がどこまでも伸びていく感じです。
残響音が豊かで、ただしそれが強すぎて、バイオリンの広域はものすごく伸びやかで、鳥肌物の美しさなのですが、今までよかったピアノの高域が、残響過多で、音が割れ気味というか、音源によっては濁って聞こえてしまいます。
これはいけませんが、でもどうしようもなく、それでもクリプトンのケーブルで聴く、バイオリンやチェロの音色は最高で、オーケストラの複数のバイオリンの音も、くっきり分離して生々しく聞こえ、しかもこの世のものとは思えないような、輝きと艶のある見事な美音で奏でてくれますから、これは捨てられません。
ということで、このクリプトンのケーブルの音は、諸刃の剣で、ものすごい透明感と、解像度の高さで、まぎれもなくハイエンドのものすごい音なんですが、一方マランツのような柔らかさはなく、とがった音というか、切れ味が鋭くて、まるで刃物で、触ったら本当に切れて血が出るんじゃないかと思うくらい、エッジのきいたキレッキレの音なので、やはり聴き疲れがしてしまいます。
ただしアキュフェーズのディスク再生の音と比べると、ディスク再生が重心が下がったのに対して、こちらはハイ上がりで、同じ音源なのに音が高くなったように聞こえ、バイオリンの音が全然違います。
ディスク再生の力強さに対し、こちらはしなやかでなめらか、ディスク再生が男性的ならこちらは女性的な音です。
おなじDACなのにこうも違うかと思うほどの変わりようで、おかげでNASの音質的な存在意義ががぜん出てきました。
というわけで、今3種類の音が聞けるわけですが、TPOに合わせて、好きな音を選べるという、かなり贅沢なシステムになりました。
本当は3者それぞれに長所もあれば弱点もあるので、それぞれの長所を生かし、弱点を克服した、いいとこどりの音が出せれば完璧で理想の音になりますが、それは無理なので、短所には目をつぶって、どれかを選ぶしかありません。
人間と同じで、長所だけで短所のない人はいないようなものです。
一番ストレスなくリラックスして聞けるという点では、今までずっと長く聴いてきたマランツですが、それだけ聞いていたらそれで十分なのですが、いざアキュフェーズのディスク再生の、マッチョな音の生々しさを聞いたり、クリプトンの、得も言われぬ、澄み切った、艶やかで、輝くジュエリーのような美音を聞かされると、やはりマランツでは満足できなくなってしまいます。
いずれにせよ、これはもうまぎれもなくハイエンドの音で、かなりレベルの高いところの話だと思います。
先日いつもオーディオショップのイベントで、新しいスピーカーの音を聴いてきましたが、我が家の音に比べると、1ランクも2ランクも格下の音で、てんで話になりませんでした。
ということで、オーディオフェスタ・イン・ナゴヤや、ショップの大商談会でも、もっとすごい音は聞いたことがあるのですが、総額1000万円を超えるシステムで、非現実的ですので、もう深追いはしません。
今まで聴いた最高の音が95点とするなら、我が家の音は90点です。
100点は頭の中の想像上の理想の音か、生演奏の音ですから、現実にはないものですが、95点を追いかけて地獄の沼にはまるより、90点で良しとして満足して聞いていた方がいいと思います。
そろそろ私もオーディオ沼、依存症から脱出するときです。
結婚20周年を機として、これからも浮気などせず、離婚するなんてこともなく、一生今のシステムと添い遂げたいと思います。
それにしても、いったい今までにいくら使ったんでしょうか。それを考えると唖然としますが、もう過去の話です。
それではまた。