50代、完全リタイアで投資生活

50代無職、独身男のリタイア生活。 資産4000万円で投資はインデックス運用です。旧ブログはこちらです。リンクから飛べます。https://maruzokun.hatenablog.com/

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うつ病の人が死を選んでしまうのはなぜか

こんにちは、まるぞーです。

 

読者の方からコメントで質問を受けました。

 

私の大学時代の親友が、今から22年前に、うつ病を患い自死しています。

 

質問の答えにも少し書いたのですが、当時私も彼も35歳で、私はまだ健康でうつ病にはなっていませんでしたので、正直なぜ彼が自ら死を選ばなければならなかったのかわかりませんでした。

 

それが20数年たって、私もうつ病になり、彼の当時の気持ちがなんとなくわかるような気がしていますが、それでも私は本気で自殺しようと思ったことはなく、読者の方からの質問である、「死を選んでしまうのは、通常の判断ができなくなるからですか?」という質問には、はっきりと自信をもって答えることができません。

 

今の私より、亡くなった彼の方が明らかに症状は重かったと思います。

 

私は「死にたい」とはよく口にしていましたが、その本当の意味は、「死にたいくらいに辛い。誰か助けて欲しい。」という意味でした。

 

自殺希望者がSNSで知り合った人に殺されてしまったという事件がありましたが、その犯人自らが、「本当に死にたい人は一人もいなかった。」と言っています。つまりみんな、「死にたいくらいに辛い。誰か助けて欲しい。」と思っていたのです。

 

ですからそういう人たちを本当に殺してしまった犯人の罪は、自殺ほう助なんかではなく、まさしく殺人で、当然その罪は重いのですが、それはさておき、私の場合、自殺という行動に踏み出したこともなければ、本気で考えたこともなく、ただそれでも、通常の判断ができなくなるということは、いくらかはあったように思います。

 

それでは本当に自殺してしまった彼の場合はどうかと言うと、彼は何度も自殺未遂をしています。

 

やり方はいつも睡眠薬の過剰摂取ですが、はじめは飲んですぐに自分で救急車を呼んでいますから、実は本気で死のうとしたのではなく、誰かに助けて欲しいという気持ちが強かったのだと思います。

 

私もそうでしたが、現実があまりに辛くて耐えられないとき、なんとかしてこの現実から逃れたいと、大酒を飲んだりしますが、酒の場合は気持ちが悪くなって、一時的には苦しくなるものの、まただんだんと冷めてきて、現実に戻ってしまいます。

 

そういった時、彼の場合は、元々酒を飲まない人でしたし、手近に睡眠薬が大量にあると、つい飲みたくなってしまうのではないかと思います。

 

ただ飲むとどうなるか、また恐怖というのももちろんありますから、はじめは全部ではなく、半分だけ飲んだりしていました。

 

それでも救急車で運ばれ、相当に苦しんだはずですが、それを何度も繰り返したのは、やはりそうでもしないと誰も助けてくれない、薬を飲めば、とりあえず今ある現実の環境をリセットできる、誰かが助けに来てくれると思ったからではないかと思います。

 

彼は一時期、精神病院に入院していました。

 

面会謝絶の病院でしたが、私は一度だけ、彼が指定する人物に選ばれて、特別に面会が許され、病院を見舞ったことがあります。

 

その時の彼は、私が知っていた彼とは違い、明らかに言っていることがおかしく、私もびっくりしました。

 

入院中、思ったことをノートに書き貯めていて、それを見せながら話してくれたのですが、宇宙がどうとか、神がどうとか、そういった概念と言いましょうか、この世の成り立ちとか、人間とは何かとか、世界とは何かというような哲学的なことを、涙を流しながら、興奮して熱く語るのです。

 

私はただただ彼に合わせてうなずいたり同意するのみでしたが、やはり精神がおかしくなっていると思いました。

 

その後退院してからは、人から見たらややおかしいところはあるものの、私の知っている元の彼に戻りましたので、やはり一時的に精神がおかしかったのだと思います。

 

私は彼からはっきりと病名を聞いた訳ではないので、うつ病というのも私が思っているだけで、他にも精神病を患っていたのかもしれませんし、本当の病名が何だったかもわかりませんが、とにかく精神を病んでいたことだけは確かです。

 

そして退院後ですが、しばらく良い時期もありましたが、何度か好不調を繰り返し、確か3度目の自殺未遂で、本当に帰らぬ人となってしまいました。

 

ですから私は彼は自殺をしたのではなく、自殺未遂をして、それまでの2回と同様に、助けてもらうつもりだったのだと思います。

 

彼が3度目に薬を大量摂取した時、隣の部屋には彼のお母さんが寝ていました。

 

彼は母親と2人暮らしでしたが、お母さんは仕事で疲れていたため熟睡していて、彼が相当苦しがったにもかかわらず、目を覚まさなかったそうです。

 

お母さんが起きた時、彼はすでに息を引き取っていたそうで、それから救急車を呼びましたが、時すでに遅しだったそうです。

 

私もあとで現場を見せてもらいましたが、布団には彼の体から出た体液が、布団を貫通して畳にまで浸み込み、襖は彼が手で搔きむしったらしく、ビリビリに破れていました。

 

彼は当然お母さんが気付いて救急車を呼んでくれると思っていたのに、お母さんが目を覚まさなかったのが誤算だったということだと私は思っています。

 

もうずっと前の出来事ですが、今思い返しても彼は本当に辛かっただろうと思いますし、彼が本当に死んでしまったことは、本当に悔しいです。

 

さて、死を選んでしまうのはなぜかということですが、今まで書いてきたように、私の経験では、本当に死のうと思ったわけではないので、正直わかりませんが、それでも1つ言えるとしたら、やはりあまりに辛い現実に耐えきれずに、現実から逃れようとした。その方法が「死」以外に考えられなかったからではないかと思います。

 

ですから私は通常の判断ができないというよりは、むしろ頭は至って正常に働いているのではないかと思います。

 

もし自死を回避させる方法があるとしたら、それは「死」以外に現実から逃れられる方法を提示してあげることではないかと思います。

 

ですから、病気が辛いとかだとなかなか難しいかもしれませんが、仕事が辛いなら、「死」ではなく、仕事を辞めるという現実逃避の方法があるのではないかと思います。

 

ただしそんなことは誰でも普通に考えればわかるはずなので、それが「死」ぬしかないと思ってしまうということは、ある意味では冷静な判断ができなくなっているということかもしれません。

 

私の場合は、母親が唯一の理解者で、母親にだけは悩みを話せ、そんなに辛ければ仕事を辞めてもいいと言ってくれたので、死なずに済んだのかもしれません。

 

それがもし、妻子がいて、妻にも仕事を辞めるなんてとんでもないと言われたり、なんとなく相談しづらく、悩みを隠していたりすると、本当に死のうとしてしまうのかもしれません。

 

上島竜兵さんも自殺だと言われていますが、周囲の誰にも悩みを話しておらず、どうして死ななければならんかったのか、彼の本当の気持ちは彼以外の誰にもわかりません。

 

なんともやるせないですが、これから1人でも自殺する人が少なくなること、またもし死のうとしている人がいたら、なんとか周りの人が救える命なら救ってほしいと思いますが、なかなか難しい問題です。

 

とにかく仕事で死ぬなんて本当に馬鹿げています。

 

責任感なんて持つ必要はありません。自分勝手だろうと、誰に迷惑をかけようと、自分の命に代えてまで、仕事にしがみつくのはおかしいです。

 

お金がなくたって、転職やセミリタイアという道があることを、仕事がきつい人は、追い込まれる前に知っておくべきだと思います。

 

それではまた。